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婦人科

対象疾患
子宮がん健診、生理に関する問題(不順、生理通、量が多い)、不妊治療、更年期障害など

子宮がん検診と子宮頸がんワクチンについて

日本では年間3,000人(一日平均10人)の女性が子宮頸がんで死亡しています。対策が急がれますが、検診受診率が25%程度と低く、十分に機能しているとは言えません。近年子宮頸がんに対するワクチン投与が始まりましたが、副作用などの問題もあります。以下に当院で行っている子宮がん検診とワクチン投与についてご案内します。

I 子宮がん検診

成年女性は2年に1回の検診が推奨されています。新潟市では自己負担は2,000円で、5年ごとに無料クーポン券が支給されています。「要精密検査」という結果がイコール子宮がんではありませんが、病状や病態によっては手術が必要となります。

II 子宮頸がん(予防)ワクチン

現在日本で使用できるのは2種類です。ワクチンの予防効果は7割といわれます。ワクチンを受けた場合でも検診は必要です。副作用としては、持続的な痛みを起こす急性散在性脳脊髄炎など可能性があり、今後も検討が必要な医療です。参考までに専門家会議厚労省の情報も参照してください。

子宮がん検診とワクチンは子宮がん撲滅のための車の両輪です。積極的に検診を受診されることが重要です。

代表的な症状と病気について

女性の身体はエストロゲン(卵巣から出る女性ホルモン)によって大きく変化します。40歳位からはエストロゲンの量が減少し始め、40歳台後半には更年期になります。子宮筋腫・子宮がん・卵巣がんなどの腫瘍や更年期障害に注意が必要です。50歳ぐらいで閉経を迎え、老年期に入ると脂質代謝や循環器に影響が現れます。充実した人生を送るためには、心身ともに健康であることが大切ですので、正しい知識を持って、身体からのサインを見逃さないようにしましょう。

以下に代表的な婦人科的な症状と病気について説明しましたので、不安がある場合にはいつでもご相談ください。

「生理の異常」

  1. 無月経や月経周期の異常:妊娠だけでなく、ホルモンの異常や心因性の場合があります。
  2. 経血量過多:子宮筋腫のチェックが必要です。
  3. 月経困難症:40歳以上では子宮内膜症・子宮筋腫の可能性があります。
  4. 月経前症候群(PMS):生理前にイライラ感、乳房の張り、便秘など多彩な症状がでることがあります。適切な薬剤で改善しますので我慢せずに受診してみてください。
  5. 不正出血:女性が最も気をつけるべき症状です。特に成人では子宮がんの検査が必要な場合があります。必ず診察を受けましょう。

「お腹のしこり」

  1. 子宮筋腫:更年期女性の二人に一人が筋腫を持っています。大きさ・場所・数によっては治療が必要です。
  2. 卵巣腫瘍:卵巣は症状を現しにくい臓器です。下腹部に腫れを感じたら婦人科を受診しましょう。

「更年期障害」

疲れやすい、冷える、ほてる、ドッと汗が出る、肩がこる、イライラするなどの症状は、更年期障害の可能性があります。リラックス法や自律神経を整える方法、漢方薬やホルモン補充療法が有効な治療法です。

医師紹介

常勤医師

参与・婦人科部長三沢 芳夫

婦人科がん、不妊症

昭和55年卒

日本産婦人科学会認定産婦人科専門医/日本人間ドック学会認定医/日本抗加齢医学専門医

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